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文学談話室

おもにシナリオ脚本を中心に小説・音楽・旅行記など書いています

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童話「美華のお手伝い」

新童話「美華のお手伝い」
この物語はノンフィクションであり、ここに登場する名前・会社名は実在しません。


東京から西に40キロ、多摩丘陵の一角にある高台のもみじ丘ハイツの建物が冬の短い陽を浴びて美しい。
もみじ丘ハイツは多摩丘陵の新多摩公園駅から歩いて10分、都心の新宿へも東西電鉄と京神電鉄があってとても便利である。一戸建てを中心に一部の建物は、12建ての中層マンションが集まって15棟ほど建っていた。駅はもみじ丘から見るとちょっと谷間になっていて、人口の増加に伴って駅前にはスーパー、大型電気店、DIY、それに図書館、美術館まであって日曜日はかなりの人でにぎわっている。矢田一樹・佳奈子は29歳で職場で出会い結婚した、3年経って二人は女の子を授かった。
美華は両親の愛を受けてすくすく育った。佳奈子の母がクリスチャンだったこともあって聖書を読んで、佳奈子は美華をやさしく、しかし時には厳しくしかって育てることも忘れない。
「少年をその道にしたがって育てよか、うん、なるほどね、」

「ねえ、美華、スパゲッティー作ってあげようと思ったんだけど、ひき肉とかケチャップがないの」
「ママ、ないの」
「ええ、それでねえ、ママ美華にスパゲッテーとかパンとか買ってきてほしいの」
母の佳奈子は、美華に独立心と自分で判断することがもう必要と考えてかねて考えていたことをこの機会に一人で出かけてケチャップとかパンを買ってきてもらうようにしなければと思った。美華は、母から突然言われて、目をくるくる回しながら、
「ねえ、ママ行かないの」
と白いエプロンのすそを引っ張って母を見上げるように話す。
「美華ももう来年は保育園から幼稚園、もうおねえちゃんになるのよ」
「でも、美華怖いよ」
「はっ、怖いって」
佳奈子は、美華の目線にあわせるようにかがんで、美華の手をしっかり握って
「ねえ、あなた何が怖いの」
と優しく聞いた、佳奈子はいつも美華になにか聞かれて答えるとき、少し腰を折って子供の目線に合わせて必ず手を握り話すのだった。
「ねええ、この坂の下のほら加藤さんのワンちゃんが怖いの」
加藤さんとは、美華の行ってる保育園の友達の沙織の家なのだ。
毎日午後になると、加藤さんのおじいさんがかわいい犬を連れて散歩に出て来るのだった。
「怖いのって、大丈夫よ、加藤さんのワンちゃん、きっと美華のことが好きななのかも」
「だってわんちゃん、美華が側に行くとワンワンってほえて」
「でもあなたが近づくといつも尻尾振ってるでしょう、あれはね加藤さんのわんちゃん、美華が好きだから尻尾振るの」
「へえ、そうなの」
「犬はねええ、喜んでるときには尻尾を振る習性があるの」
「ママ、習性って」
「うん、なんていったらいいかなあ、ああ習慣、わかる?」
「うん、ちょっとわかってるけど、わからない」
「くせっていえばわかるかなあ、美華には」
「うん」
そんな和やかな美華との会話を交わしてるときが、私にとって一番幸せだわ」
母はしみじみそう思った。
美華はこれまで佳奈子と一緒に駅前の東友スーパーに出かけていた。佳奈子は、美華にお使いを頼むのにいつもいく東友スーパーでは無理だと思った。身長100センチ足らずの小さな美華が買い物籠を持ってレジを通るのは無理だしそれにスーパーで小さい子が一人で買い物をしてかえって周囲の人たちから奇異な眼で見られてもかわいそうだとも思った。
新多摩公園駅から紅葉丘ハイツに亘る道路の左右には一戸建てとか中規模のマンションが立ち並び人口も増加の一途をたどって自然発生的に商店街が出来上がっている。
スーパーに対抗して新鮮な肉・野菜。鮮魚をはじめ一般食品は結構安かった。
商店街のお店の人も母が美華が可愛く顔を覚えてくれて、時々買い物をしていると、
「美華ちゃん、お母さんとお買い物でいいわね、これおばさんからご褒美」といって商店街大売出しの時には風船とか、そうでないときは店で売っている鉛筆一本とか、箱入り菓子一箱とかを美華の小さな手に握らせてくれることもある。
美華もまた、母、佳奈子の書いたメモをもみじのような可愛い手で持って、
「あのねえ、おばちゃん、コロッケ3つとええと、ぽ・て・と・サラダをこんだけちょうだい」と背伸びして肉屋のお店の人にメモを見せたりしているのだった。
母の佳奈子は、美華は皆から愛されていて幸せな子だわと心の中で喜んでいた。
美華が、「あのねえ、美華一人でお買い物行ってもいいよ」といったので、美華も大人になったと喜ぶ反面、もし、買い物に行く途中、わが子が見知らぬ人に誘拐されたり、事故に巻き込まれてもと心配もあった。
かって佳奈子も母から丁度幼稚園に進むことが決まって、一人でお買い物を頼まれた経験があった。しかし、その頃は公園にも子供たちが集まってブランコに乗ったり砂場で遊んだりしていた。子供はのびのびと外に出て歓声をあげて遊んでいた。そんなことを美華の顔を眺めて考えた。
でも、時が変わり、今は子供が安心して外に出ている姿も見られなくなり、治安の悪化でこの辺でも子供に話しかけてそのまま車に乗せようとしたり、歩いて見知らぬ男についていって危うく誘拐されそうな子供の犯罪が発生していた。
佳奈子は、美華が行ってる保育園の同じ父兄と子供が一人で出かけるときにはお互いが助け合って子供を見守りましょうという協力体制がいつのまにかできていた。
昨日美華に気がつかれぬようにひそかに商店街に通じる道筋の父兄仲間にあらかじめケータイで連絡、監視をしてもらう約束が出来上がっていた。
「美華ちゃん、頼むわよ、その間美華の大好きなホットケーキ作っとくからねえ」
そういって「これがお財布、この中に2000円入ってるから、お買い物できたら美華の大好きな絵本一冊だけ買っていいからねえ」
といいながら美華に財布を渡す。
美華は、「保育園に行くときの・・・・ええとアヒルさんのかばんに入れていくね」
といって柱にかけてあるかばんを小さな手で肩にかけた。
美華は、数ある保育園のかばんの中でも母親がミシンを掛けて刺繍をしてくれたあたたかい手作りのかばんが一番好きなのだ。
「美華、これが美華に頼むお買い物を書いてある紙よ、なくさないでね」
佳奈子は、美華の目線にあうようにかけているレースのエプロンを少し手繰って腰を屈めて、
「いいこと、ひき肉が300グラム。スパゲティーが一袋、ケチャップが一つ、それにソースが一つ、あとパンが一袋いいわね」
「ママ、美華わかった、ええとお肉、ひき肉でしょ、ええと、ええと、ああわかったスパゲティーが一つ、それにパンだよねえ」
佳奈子は、美華が眼をくるくるさせながら小さな指を折りながらわからないときにはちょっと首を傾けて子供なりに買い物の品を一生懸命に復唱している姿がなんとも言えず可愛く、思わず、美華を抱いて、
「美華ちゃん、いつのまにかお買い物の名前覚えて・・・・じゃ、行ってらっしゃい」と手を引いてエレベーターに乗り、1階のロビーから通りに出て、
「じゃ、行ってらっしゃい、頑張ってね」
そういって美華の姿が消えるまで手を振っていつまでも見送るのだった。
美華もときどき振り返って小さな手を振っていた。
佳奈子は、美華の姿が見えなくなるとケータイを取り出してまづ、同じ保育園の松本直子に連絡をすることにした。
「あのう、美華の母ですけど」
「あっ、佳奈子」
「あのねえ、美華が今買い物に出たの、で、あなたの家から美華を見たらそれとなく見張ってくれる」
「いいわよ、佳奈子、心配だったらあたし、美華ちゃんと一緒にお買い物に行ってもいいけど」
「はっ、それじゃ、今日一人でお買い物させてるのは美華のためだわ、お気持ちうれしく受けておきます」
一方、美華ははじめて一人で外に出て緩やかな坂を下っていた。駅に通じる通りは黄色や赤色に葉が色づいていてプラタナスの木々がきれいだった。
時折風が吹くと葉がぱらぱらと舞いながらくるくると落ちてくる。
美華は道路に落ちている赤いもみじの葉に眼を留めて
「もみじさん、とってもきれ~、美華に一つちょうだいね」
折りしも風が吹いてきて歩道に落ちた紅葉の葉がくるくる回って足元を廻ってゆくのだった。
「紅葉さん、ちょっと待って」
美華はちょっと駆け出して風の止むのを待ってしゃがんで
「この葉っぱ、赤くてきれ~い、美華これがいいなあ」
そういいながら赤い紅葉を二、三枚拾って、プラタナスの木に向かって
「ねえ、紅葉さん、きれいな紅葉をありがとう、美華大切にするからね」
頭をぴょこりと下げた。その様子をじっと2階の窓から見ていた松本真子の母、松本直子が気づいて、
「美華ちゃんががここを通るようだわ」
タンスの中からケータイを取り出して二階を降りて玄関から外に出て待つことにした。
遠くから美華が近づいてくるのだった。
美華は、生まれてはじめて外に出たのがうれしいのか
「ランラランラン・ランランラン」となにかわからないが、ハミングして松本直子の立ってる場所に近づいてきて、
「あっ、真子ちゃんのママ、こんにちは」と前に立ち止まって丁寧に頭を下げた。そのしぐさがとても可愛かった。
母、直子は、美華さんのままはとても子供をよくしつけてるわ、近頃は挨拶もしない子供もいるのにと思った。
「おばちゃん、そこで何してるの、真子ちゃんは」
と不意に聞かれて、
「おばさんはねえ、美華ちゃんを」
といいかけてあわてて口を閉じた。危うくいうところだった。危ない、危ない
「あのねえ、真子ちゃんは今お父さんと一緒に駅前の公園にいってるの」
と答えて美華の顔を眺めた。
「あのねえ、おばちゃん、美華はねえ」
「お使いに行くの、偉いわねえ」
「うん」
「気をつけて行ってらっしゃいね」
美華は、紅葉のような右手を振って
「さよなら」
と行って通りすぎて行った。
直子の母親はケータイをエプロンのポケットから取り出して、
「直子の母ですけど、美華ちゃんねえ、今家の前を通って行ったわよ」
と報告した。
美華は黒塀のある加藤さんの家に差し掛かってきた。
あっ、加藤さんのワンちゃんがいたら怖いなあと思っていた。
左折道路があって、美華は黒塀の角からそっと様子を見ていたが、そのときだった。
加藤さんのおじいさんが犬を連れて門から目の前に出てきた。
「あっ、わんちゃん、美華怖~い」
驚いて、あとずさりしようとしてる美華におじいさんが
「美華ちゃん、怖くないよ。ほらこんなに尻尾振っているよ」
加藤さんの家で買っている犬は決して大きくなくフランス原産のパピヨンで小さく大きくなっても4キロという犬だった。人なっつこくて陽気だといわれている。
小さな美華には犬が大きく見えるのだろう。犬は立っている美華をじっと見ているようだった。
「美華ちゃん、喜んでるよ、こっちに来てごらん」
美華は母がワンちゃんは尻尾を振ってるときは怖くはないのよといった言葉を思い出していた。
美華は、おじいさんに近づいた。
「ほら怖くないよ」
おじいさんに言われて美華は
「可愛いねえ、ねえ、ワンちゃんの名前なんていうの」
といいながら右手を恐る恐る出して毛をなでようとした。
犬は驚いて、舌を出して美華の小さな手をペロッとなめた。
「わっ、驚いた」
といいながらも犬になれてきたようだ。
「わんちゃんの名前はねえ、ごん太郎というんだ」
「ごん太郎」
犬の側にいつまでもいて様子を見ている美華だったが、
「おじいちゃん、美華ねえ、ママに買い物頼まれたの、さよなら」
そういってまっすぐ道を渡って歩いていった。
加藤さんのおじいさんもケータイを取り出して、ひそかに美華に知られないように
美華の母に連絡した。

美華は、
「ええと、お買い物は、スパゲティーにええとケチャップにええとごん太郎に・・・」といいながら
「ええと、スパゲティーにええとああ、ごん太郎に」
犬の名前を教えてもらって美華には珍しかったのか、立ち止まって、
右指を折りながら、
「ええと、スパゲティーに、ええとケチャップに、それからごん太郎に」
と後の買い物の名前が思い出せない。
「ええと、ええと」
首をかしげながら思い出そうとするけど、思い出せない。
美華は、小公園に差し掛かった。この公園は地域の環境整備のために市が地区ごとに作った公園で、土、日のウイークエンドには周辺の子供を連れた親子でにぎわっている。
そこには、美華がお父さんやお母さんに連れられてずっと小さいときからこの公園で父に手を引かれて上った滑り台、母が小さな美華の背中を右手で支え左手でブランコの振り子があまり大きくならないようにして押さえて、わが子の安全を考えながら遊ばせてくれた美華にとっての楽しい想い出がいっぱい詰まっている場所でもあるのだ。

                               (続)

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童話「一箱のクレヨン」



童話「一箱のクレヨン」

ある日、トラックが駅前のぶんぼう具屋の前でとまりました。うんてんしゅさんはトラックから降りて段ボールの箱をかかえて「こんにちは」といいました。

店の奥から、おばあさんが出てきて「いま、だれも出かけていてわたしひとりるす番しているの、わたしも手つだうよ」
うんてんしゅさんは、床において段ボールを開けました。

中にはいろいろなぶんぼう具が入っていました。ボールペン、消しゴム、ノート、ふうとう、などをおばあさんといっしょにお店のいろいろなところに並べました。
「ごくろうさん」
おばあさんはそういっておまんじゅうとお茶をうんてん手さんにもってきました。うんてん手さんはちょっとおじぎをしてお店を出て行きました。

その中で一箱のクレヨン箱のクレヨン皆が箱の中で
「ねえ、ぼくたちを使ってくれる人はどんな人かなあ」といいました。
しばらくたって赤いランドセルを背負った小さな女の子がお店に入ってきました。おや、かずちゃん、がっこうの帰りかい」
おばあさんがききました。「そう、クレヨンほしいの」かずちゃんは、「うん」といいました。

おばあさんは、
「ちょうどいま新しいクレヨンが来たのよ、ふでで書ける水彩絵の具にもなるし」
かずちゃんは
「それちょうだい、いまお母さんが病院ににゅういんしているの、お母さん、お花が好きなので、お花の絵をかいてわたし持っていこうと思ってるの」
おばあさんは、かずちゃんのいうことを聞いて、
「お母さんがはやく直るといいねえ」
といいます。

一箱のクレヨンはお店のクレヨンを積んだ2番目にありました。かずちゃんは、クレヨンの前にきて「おばあちゃん、クレヨン取っていい」といいながら、クレヨンを取ろうとします。
一箱のクレヨンは「かずちゃん、ぼくたちは2番目だからえらんでね」
といっしょうけんめいいいますが、皆には聞こえません。
かずちゃんは3番目のクレヨンをえらび、「おばちゃん、これちょうだい」といって五ひゃくえんをおばあちゃんにわたして「どうもありがとう」といってお店を出ていきました。

つづいてはいってきたおきゃくさまは白いワゴン車から降りてお店の中に入ってきました。おきゃくさまはこの町から2時間も山奥に入った山里小学校の分校の高田せんせいです。
せんせいは、お店のクレヨンの前にきて、「これにしようかなあ」といって2番目のクレヨンを手に取っておかねをおばあさんにわたします。
一箱のクレヨンは先生がかばんにしまったので、うれしくなって皆で思わず「やったあ」といいました。

「せんせい、ごくろうさま、お茶でも飲んでいってください」といっておまんじゅうとお茶を持ってきました。おばあさんは「高田せんせい、ことしは寒いので山奥の分校も大変だねえ」といいました。せんせいは「うん、ここから車で2時間も入ったところだから雪もたくさんあって、野うさぎも冬ごもりしてるのか、学校の裏山にも出てこないよ」とおばあさんに答えました。

せんせいは「じゃあ、おばあさん、元気でいてね、今度くるまで」といってお店をでていきます。

「高田せんせい気をつけて帰んなさい皆によろしくいってちょうだい」
とおばあさんの声がせんせいの後ろから追っかけてきます。せんせいは白いワゴン車に乗り、エンジンを入れてハンドルを握って町の中をとおり抜けてやがて道がせまくなり林の中のまがりくねった道を登ってゆきます。

だんだん道のはじっこに雪が残っているところをすべらないようにしてこうして山里小学校の分校にたどりつきました。ここは冬の寒い間だけ、雪で道路も通れにくくなりこの山里小学校の生徒の皆はこの分校で雪にじっとがまんをして春がくるまでここでせんせいとともにすごすのです。

二日後に先生は一年生から三年生の7人のせいとにかばんの中から一箱のクレヨンを出して、皆に見せながら「このクレヨンを一週間だけ一人ずつあずけるので、皆の好きな絵をかいて、さいごのだれかが絵といっしょに持ってきてくれないかと皆に話します。

高田せんせいはいつも一年生から三年生までの7人のせいとをおしえています。だからさんすうの時間でも一年生と三年生ではちがいます。それで、みんな同じようなことをして7人がなかよくするには、今日買ってきたクレヨンで絵を皆にかいてもらおうかと考えました。

7人の生徒の絵を教室のかべにはり出して皆にそれぞれ賞品をあげようと思いました。
「せんせい、何でもかいていいのですか」三ねんせいの順君が聞きました。
「うん、何でもすきなものかいていいんだよ、さいごのだれかがせんせいに絵といっしょにもってきてくれないか」といいました。

「わかりました。せんせい」七人の生徒が元気よくこたえます。

「さあそれじゃ最初に三年生から書いてもらって最後は一年生にしようかなあ」とせんせいは、しゅっせきぼを見ながら「最初は三年生の順くんだ、そしてかなえさん、次に二年生の有紀子さん勇くんとしはるくんそして一年生に移って洋子さん、文彦くんが最後だ、いいね」
といいながら、せんせいはクレヨンの箱を順くんにあずけます。

「書き終わったら学校に持ってきてくれないか、このクレヨン」せんせいはそういって
「みなどんな絵をかいて持ってきてくれるかたのしみだなあとにこにこしています。

箱の中のクレヨンたちは、
「順くんがいちばん最初につかうのは、この中のどのいろだろう」と話しています。

順くんはランドセルにせんせいからあずかったクレヨンを入れて家に帰ります「ぼく、なんの絵を書こうかなあ」と考えているうちにおじいちゃんの顔を思い出しました。


「そうだ、僕はじいちゃんの顔をかこうかなあ」
箱のクレヨンたちはそれを聞いて「きっと茶色だよ、おじいさんの顔書くんじゃ」といっています。

順くんの家は学校から小さな川にかかっている橋を渡り国道に出てそれを沿って北に5分歩くと左側の黒い兵に囲まれた家がそうです。
お父さんはこの町のやくばに勤めていて、お母さんは近くの農協で働いていて、おじいさんが一人で留守番をしています「ただいま」といって戸を開けると、
中から
「順か、お帰り」というおじいさんの声がします。

雪囲いのある戸をあけると奥の部屋でおじいちゃんが「寒かっただろう、こっちにおいで」と手招きしています。
大きな柱が天井にあって部屋の真ん中には大きないろりがあって皆、家族がそこに集まる場所になっています。

大きなふるい柱時計がとつぜんぼんぼんとなりました。時計の針はごご3時なのにまどの外は白い雪にかこまれていてガラス戸が曇っています。
順くんは小さい頃まだ5歳のときだったでしょうか、暗い部屋から順くんの背のたかさまでもあろうかと思うような柱時計のぼん・ぼん・ぼんという大きな音が恐くてよく泣いたものでした。

「おじいちゃん僕恐いよ」おじいちゃんはそのたびに
「恐いことはないよ順」といって大きなたくましい日に焼けた手でしっかりと抱いてくれました。
順君はそんなおじいちゃんが大好きなのです。
それで学校でクレヨンを先生にわたされたとき、真っ先に僕はおじいちゃんの絵を書こうと思ったのです。

おじいちゃんは順君が部屋に入って肩にかけていた布で作ったリュックを置いてその中からクレヨンのはこを取り出します。
「順、寒かっただろう、おじいちゃんなあ、甘酒造っておいたから「甘酒、順くんのはじめて聞く名前です」
「寒い時にはからだをあたためるのがいちばんいいのじゃよ」おじいちゃんは立ち上がって台所にあった甘酒をあたためておわんに甘酒を入れてもってきました。
順君は目の前に差し出された甘酒にとまどっています

「飲んでごらん」おじいちゃんから言われると順くんは、おわんをもって一口飲みました」
「なにこれ白い米粒みたいのが」「それはなあ、お米で米の粕で作ると甘くなるんじゃよ」
「なんだかカルピスみたい」

このいなかでも街道そいにコンビニエンスストアができてから学校のともだちとときどきおにぎりとか
はんばーがーとか、カルピスウオーターとか買ってくるようになったのです。

「おじいちゃんは僕の宝物だよ、だって僕が知らないこまとか竹とんぼとか、竹馬とかいっぱいいっぱい作ってくれたんだもの」雪の深いこの山奥にも都会と同じようにテレビゲームが入ってきてこどもたちはこんなに自然がゆたかなところなのに外で遊ばなくなって家で過ごしてあそぶようになってしまったのです。

箱の中のクレヨンたちは「順くん、いつおじいさんの絵を書いてくれるのだろう」とささやきあっています

順くんはおじいちゃんの作った甘酒を飲みながら、
「おじいちゃん、今から僕、おじいちゃんを書いてあげるね」そういって箱の中のクレヨンを開けると16色のクレヨンたちはきちんと並んでいて「来た、来た」
とお互いの顔を見ながらいどおれ、ってます。
「順がおじちゃんの顔を、それはうれしいのう」
おじいちゃんは「それじゃ、きちんとせにゃあ」
ともういくらもない頭の白い髪の毛をくしできちんと直しました。

「おじいちゃん、じっとしててね」走ってとなりの部屋にいって引き出しから画用紙を取り出して帰ってきます。

箱の中のクレヨンは「順君、最初に何色でかいてくれるんだろう」茶色のクレヨンが「順くん、ぼくを使って」肌色のクレヨンも負けずに「私を使って、おじいちゃんの顔」と言い出しますがもちろん順くんにはきこえません

「おじいちゃん、いくよ」
おじいちゃんは順くんにいわれたからなのか、背中をまっすぐにして順くんの顔を見た。肌色のクレヨンに順くんの手が伸びたので肌色のクレヨンは思わず
「僕、やった」といってよろこびました。
順くんは、肌色のクレヨンを右手で持ちながら憩いよく画用紙いっぱいにおじいちゃんの顔全部をかきはじめます。

画用紙はつるつるするのでクレヨンもすべるように書いていくことが出来ます。肌色のクレヨンは「わあ、スケートみたい」と喜んでいます。
ええと、僕はといいながら肌色のクレヨンをおさめて
今度は黒のクレヨンと白のクレヨンを取り出します。

順くんはおじいちゃんのかみの毛をクレヨンを使って書いてゆきます。「ええとおじいちゃん白い毛もあるから」
そういって黒いかみの毛のところどころに白い毛をふやしていきます。「ええと、まゆ毛は」順くんはおじいちゃんのまゆ毛を黒いクレヨンで書いて行きます。
おじいちゃんはやわらかい弓のようになっていて順くんも一生けんめいです。

「次はおめめ」おじいちゃんの目は小さい目だけどとてもやさしく順くんもたいへん苦労しているようです。「おひげにお口でおわりだからね、おじいちゃん」そういっていっしょうけんめいで
「お口は赤だよね」
赤いクレヨンは思わず「わたしのばんよ」
といってよろこんでいます。
こうして10分でおじいちゃんの絵が無事にできました
「出来た、ほら、おじちゃんの顔」
順くんはそういって絵をおじいちゃんに渡します。
「順、ありがとう」おじいちゃんはそういって順くんを抱いてよろこんでいます。
「あのね、おじいちゃん、この絵はみなの絵ができたら学校でかざってみなで見るの」
「わしの絵を学校でかざってくれる」「そうなんだ、それまで僕、家のかべに張っておくからね」
順くんはおじいちゃんにいいました。

かなえさんは急いで玄関の戸をあけました。
おじさんがにこにこして「お母さんからでんわがあったので急いできたよ」
おじさんのうしろには、あの絵にかこうと思っている赤いいろの自動車がとまっています。
外はくらくなって山の上に赤いたいようが沈もうとしています。

かなえさんは急いで画用紙を持ってきて暗くならないうちに赤い自動車の絵を書こうと思いました。
台所からしいたけご飯のいいにおいがしてきました。
かなえさんは玄関の近くに止まっている赤い自動車を書くため部屋から小さないすを持ってきて絵をかきはじめます。

箱の中のクレヨンたちはまたさわぎはじめます。
「ええと、赤い色の自動車だから赤いクレヨンとタイヤの黒色だから黒いクレヨンだよね」
かなえさんはいすに座って赤いクレヨンで画用紙に赤い自動車のりんかくを書きます。
窓とドアを書いて
次は自動車のタイヤを丸く書いて行きます。
山の上の夕陽がそらを真っ赤に染めていましたが、やがて通りの街灯が点き始めて赤い自動車の影が伸びて行きます。「大変だ、急がないと、困ったなあ、夜になったし」

かなえさんは困ったようです」
どうしよう、弱ったなあ、そう思いましたが、ふと
「そうだ、赤い自動車が夜走ってることにしよう」
箱の中のクレヨンたちは「今度は黄色いクレヨンの出番だよ」黄色いクレヨンは突然のできごとにとまどいました。

「えっ、僕が」かなえさんの小さな手が伸びてきて黄色いクレヨンを取り上げました。そういいながら前のライトを黄色く塗って自動車が走ってるように前を灯りが照らしてるようにしました。

自動車はいかにも夜、走ってるようです。
窓を灰色で塗ってドアのりんかくを灰色でまとめて絵は出来上がりました。「ついでにおうち書こう」
かなえさんは灰色のクレヨンでおうちを書いて黄色で灯りを書きました。「できた、私の赤い自動車」

その時「かなえ、しいたけごはんが出来たわよ、おじさんも来てるから」「はあい」かなえさんは外でからだが冷たくなって玄関を開けて家の中に入りました。
おじさんも来てお父さん、お母さん弟も含めて5人でおいしいしいたけごはんを食べました。

夕ご飯が終わるとかなえさんは、
「おじさんありがとう、あたし赤い自動車書きたかった」といって皆に絵を見せました。
「かなえさんうまいねおじさんうれしいよ」
と喜んでいます。

翌日一箱のクレヨンをかなえさんは由紀子さんに渡します。由紀子さんは何を書こうかと思って腕組みをして校門を出てたちどまりました。かなえさんの頭には人形?いもうと?お母さん?バナナ?にしき鯉?とうずまいています。そのとき頭にひらめいたものがありました。そうだ犬のごん太郎を書こう。
犬のごん太郎は由紀子さんの家に来てもう3年目小さい時から由紀子さんはごん太郎を可愛がってきました












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現代若者ことば字鑑

少し大きい文字

1 「いけてる」

いけてるは、垢抜けしている、かっこいい、など昔はいかしてる、いかすといっていたことばが死語同然となっていけてるに変わったことばである。
今日では非常に多く使われている

日常の生活の中で、「その服結構いけてます」、「この料理いけてます」という具合に用いる。
またいけめんということばがあるが、いけてるめん(men)を意味し、テレビで聞かない日はないほど頻繁に使われている。

テレビドラマの使用例、

NTV「働きマン」で新人田中(速水もこみち)が「これ誰が書いたか知りませんが結構いけてます」とベテラン女性記者働きマン松方弘子(菅野美穂)にいい、弘子は「私が風呂にも入らずに3日間渾身こめて書いたこれ、軽くいけてる」と呆れ顔で田中の持ってる記事を取って「ご意見ありがとう」という具合に展開している。

2 「意味わかんない」「わかんな~い」

最近テレビドラマを見ていると、やたらに「意味わかんない」が一人歩きをしているようだ。
元はといえば、相手が話していることに対して「意味がよくわからないけれど」という否定の形のことばである。

しかし、最近は、たんに話していることに対して意味がわからないという表現のほかに、もっと広義な意味で用いられているようである。
たとえば、相手が行った行動に対して不可解なときに「意味わかんないし」とか、異性間でどちらかが悪気がなく取った行動に「意味わかんないし」とか、自分を中心になにか相手からの提案が受けにくい、否定したいと思うときにも「意味わかんない」と用いているように思われる。その意味でも新しい若者ことばといえよう。

3 はじまった

はじまったは解説するまでもなく物事のはじめての状況を言っている。
このことは今も昔も変わりはないがなにか自分にとって不利だと思われるときたんにはじまったというようである

テレビでの使用例

NTV「働きマン」で父が喫茶店で「妹の結婚が決まったぞ、お前はさきを越されて恥ずかしくないか」といわれたことに対して弘子は「はじまった」といっている。



3 「そっこう」

そっこうとは漢字で即行、即攻などの意味に用いる。
迷わずすぐに行動を起こす意味である。

テレビドラマの使用例

NTVTVドラマ「働きマン」で、友人の結婚式に招かれた弘子が、「今夜は久しぶりに腰を落ち着けて飲むぞ」と友達に言ってるのに、「私たち終わったら即攻だし、」「だんな子供が待ってるし、独り者はいいね」という意味に使われている。

4 「ダメだし」

元はといえば、演劇、舞台関係などで使われていたことばが、テレビのドラマなどに使われて一般に広がった用語である。
もともとは、ここのところはダメだからもっと強調してください」とかダメだから~してという意味で使用される。

テレビでの使用例

ドラマなどではNTVテレビドラマで弘子の家に泊まってうるさく娘に言ったのに翌日「だってお父さんダメだしばかりするんだよう」といってダメなことを言ってしまう、「不利なことを言う」など、広義な意味で使われるようになってきた

5 空気読まない「空気読まないKY」

空気を読むということばは以前からもずっと言われてきたことばであるが、あるときにはその場を読めないとかいう意味も使われてきて混乱していた。
ところが最近、マスコミに取り上げられて、またテレビドラマでも取り上げてきていて空気を読まないという形で用いられ、女子高生の間では空気K,読むYを取って、「KY]という言葉で使われてくると俄然流行語らしくなってくる。

意味は、広範囲に用いられるが、その場での皆の雰囲気とか意見をまったく無視してしまうのを、「まったく空気を読めないんだから」という風に使われる。

テレビでの使用例

NTVの「ハケンの品格」でも、ハケン社員の大前春子に部長が「大前さん本当によくやってくれて上のほうにも通じていて、契約を延長したいだけど」と言うのに対して、春子が「私は契約どおり3ヶ月で去ります
」と答え、なぜかねと部長が尋ねると、「理由は二つあります、私がこのままいると社員が私を頼りすぎて働かなくなります」と答え、正社員の黒岩匡子が「まったく、空気読まないんだから」というように使っている。

6 コンビ二ことば「よろしかったでしょうか」

近頃コンビ二ストアー・レストランなどで、例えば買い物をし1000円札を出して店員に示すと、「1000円からでよろしかったでしょうか」と言う風に盛んに用いる

また、郊外レストランに入り、食べる物をオーダーすると店員が「ハンバーグにポテトスープに野菜サラダ、コーヒーですね、かしこまりました」と一応お客の注文を聞いてから「以上でよろしかったでしょうか」とここでも相手に対して強調のことばを用いているようだ。

「~からでよろしかったでしょうか」と言われると、つい出したお金のほかに財布のお金を見る事もある。かなり強調したことばと言える気になることばでもある。

従来は、買い物をすると「1000円お預かりします」とか「1000円でよいでしょうか」という具合に相手の出したお金を肯定する形で使われてきた。

テレビでの使用例

NTVテレビドラマ「anago」で
野田奈央子(篠原涼子)に朝、会社で朝食を食べてるのを見て
「あの朝ご飯は・・・」と切り出したら立花が新入社員黒澤明彦(赤西仁)に「ああ、先輩にも勧めなさい」といい、黒澤が「梅もありますけど、鮭もありますが梅でよろしかったですか」というように用いている

7 「微妙(ビミョー)」

微妙という意味は、本来は国語辞典によれば①美しさ・味わい・状態などの細かなところに重要な意味がこめられていて、口で言えないとか一口にこうだと言い表せない状態を指していうこと、②どっちともはっきりいえない様子を指す意味で用いる。金利の引き下げは微妙とか用いる。
最近は微妙をカタカナで「ビミョー」とカタカナでも表す。
意味としては、どちらともいえないような状態をいう。自分にとってはどちらともいえないとか、感情面でどちらともいえないとか、人とか物とかが好きか嫌いかどちらともいえない微細な状態など悪い状態のときでも微妙(ビミョー)と悪い意味で多く用いるようになった。


8 「超」(ちょう)

これまで超ということばは普通考えていた限度をはるかに越えたという意味で超特急とか超越とかいう意味に用いてきた。
三省堂国語百科事典によれば、「超」は①基準・限度を越えたという意味で「超高速」「超満員」が事例に挙げてあり、②超越するで超党派という具合にすべてを含んで賛成も反対も超えてという意味、俗語としてとても、とびきりという意味があって、超うまいとか反対に超まずいという具合に用いる。そのほか超過するという意味もあり二千円越えたという意味で用いることもある。
これが若者ことばになると、「超まずい」「超まずっ」「超最悪」「超むかつく」という具合に悪いことを最高に表現する用い方に変化してきているのである。

9 「~する人」

「~する人」とは名詞、格助詞で自分を第三者に見立ててそれをあいまいなぼかした表現で用いるように変化してきている。

 従来は、「船を動かす人」とか「火事の火を消す消防士」とか明確に第三者が何か行為を行う意味で用いてきた。

最近は、自分のことを「~する人」だからという形に推量して使うことからこれをぼかして例えば「私的には料理が好きな人で」「「私とか夢を追う人みたいな」とか「僕的には日本食的なほうが好きな人」とか専ら自分のことを表現するのであるが、あらかじめそれがわかりきっていることでも、その意味で曖昧にしてしまうことである。従来は若者に多く使われてきたのだが、次第に中高年者にまで広がってきており、「私は部屋をきれいにする人だけど、旦那は散らかしても平気」・・とか今の不確実性を象徴してか拡がってきている。

10 「来た、来た」

来たということばは、従来は「彼が来た」とか「犬が我が家にやって来た」とか人物・動植物、自然界の現象、事物などがあるところからどこかに移動した場合の表現法である。

まれに電気がびりびりと感じることを「ああ、電気がびりびり来た」と使うこともあるが、そのことが原因である状態になることをいうこともある。
これが最近「来た、来た」という形で例えばなにか相手から自分にとって都合の悪いこととか欠点を指摘されたときに「あっつ、来た来た」という形で表現されるように変化してきているのである。

自分のことを言われてやっぱりかというときの意味で「来た、来た」と反抗的な態度を表すことばとして表現されるように思えるのである。

ただ、これは母親が子供に「表で遊ぶんだったら先に宿題やりなさい」といわれて昔なら「はい」とか「わかった」とかいうであろうが、今は「ほら来た来た」というのであろうか。

テレビでの使用例

ドラマの中で農家の長男に嫁いで3年後、一郎の母から「明子さんあなた本当にお料理が上手になりましたね?」とほめられて嫁の明子は「本当ですかお母さん、ありがとうございます」といったんは喜ぶのですが、「それだけお料理が上手なのに一郎は疲れた顔をしてますよ」と遠まわしに子供ができないのはそのせいといいたいことを察して「ほら、来た、来た」という

12 「やばっ」「やばい」

従来は「やばい」はなにか見つかったらまずいとか取り返しがつかないとか否定の意味で使われていた。
例えば「明日までに宿題やらないとあの先生はうるさいしやばいよ」とか「見つかったらちょっとやばいけど」とかいずれも危険性を含んだ行動のときに使用していた。今もこの用法は変わらなく使っているが、最近は「やばっ」と想像も付かなかったとか言う意味で使われることが多くなってきてこのことばがきわめて多様性を帯びてきている。

例えば、食べ物を食べて思いもよらないほどおいしいことを「このラーメンやばっ」とか桃を食べて「う~ん、この桃やばっ」という風に使用することがある。
「やばい」でなく「やばっ」という風に用いるようである。

テレビでの使用例

TBSテレビ「花嫁は厄年っ」で明子(篠原涼子)が
はじめて一郎の桃農家にバラエテー番組放送のために
駅で降りて桃を買って食べて「やばっ、この桃おいしすぎ」という具合に用いている。

13 「~れる」

食べれる・着れる・掛けれる・行けれるといういわゆる「ら」抜きことばは完全に定着したようだ。
すでに各出版社が出している種々の国語辞典にも取り上げられていて食べられる・着られる・掛けられるという「ら」語は完全に死語となった感がある。
もうことばづかいをうるさくされるアナウンサーでさへ「はい、そちらに1時間くらいで行けれます」と言ってるのである。

それにしても私が学生のときは学校で、ら・り・る・る・れ・れと四段変則活用を厳しく教えられて文法の用法に従ってことばの使い方をうるさく指導されたものである。四段変則活用を覚えてそれを実際のことばに当てはめるのは以外に大変だったことを今でも覚えている。

テレビでの使用例

TBSの「花嫁は厄年っ」で農家の長男として3ヶ月花嫁に修行している武富明子(篠原涼子)に長男の母親安土幸恵(岩下志麻)が浴衣を持ち出して「あなた、浴衣一人で着ることできますね」と聞くのに対して「はい、着れます」と答えて「あなた、らが抜けてます、着れるでなく着られますです」と苦言を呈す場面があるがすでに完全に定着した「~れる」と使う度に正しくは「~られる」と考えている人が何人いるだろうかと思うのである。

14 「~過ぎ」

最近テレビを見てると若い人の番組、ドラマにしても「~過ぎ」ということばがよく使われている。
従来は「仕事をやり過ぎだった」「遊び過ぎて疲れた」とか~過ぎの次にその理由がはっきりと述べられていた。またその行為はあらかじめ予見できなくて結果がそうなったということである。
最近の過ぎの用法は、すでに現象・結果が説明されているのを「~過ぎ」ときわめて広範囲に使うようになってきた。

テレビでの使用例

TBSテレビ「花嫁は厄年っ」で明子と一郎の弟、次郎との会話の中で次郎が例えば「あんたはわかり過ぎ」「それは出来過ぎ」「あんた少しわからな過ぎ」など、きわめて「~過ぎ」は広範囲に使用されるようになったようだ。

15 「どたきゃん」

ドタキャンとは改めて解説する必要もない新語でわかりやすいことばである・
土壇場でキャンセルされたという意味である。
従来は、すっぽかされたとか約束を破られたという具合に使われていた。

旅行業界、芸能界といろいろなところで使われていたという説があるが、旅行業界ではたしかに予約していたものの出発前日旅行ができなくなり、土壇場でキャンセルされたことをドタキャンと短くいうようになったことは容易に理解できるし、芸能界に置いても出演交渉、放送予定が土壇場でキャンセルすることもあるだろうからこれらの業界からケータイなどでドタキャンが一気に使われるようになったのかも知れない。

テレビドラマの使用例

NTVテレビ「働きマン」の一部で働きマンの雑誌記者弘子(主演:菅野美穂)がいつも仕事優先に頑張ってきたが恋人新二から仕事の都合であえなくなったと打ってきたケータイメールを見ながら「ドタキャン」という具合に使っている。

16 「いい感じ」

いい感じとは文字通りのことばである。
以前は感じがいい、あの人感じがいいとかいう意味で使われてきた。
いい感じは人・物・雰囲気など、すべてのものに使われてきて日常生活の中に深く定着しているがすべてのものがいい感じと表現すると繊細な表現が世界的に見て美しい日本語の表現も必要とも思う。

、温泉を訪ねて和室から月に照らされた日本庭園を眺めて「ああ、いい感じねえ」、グルメ探訪でおいしい中華料理をたべて「いい感じ」ともう何回も聴いたのである。「いい感じ」という表現は例えばおいしい料理に店内部の雰囲気(ムード)とかここで食べるのに全体のからだで感じるすべてを捉えていい感じというのであり、それを一言で表現するのであろう。
でも、このいい感じも乱用は避けたいものだと思った。

例えばどこか遠くに旅に出かけて「いい感じ」をそのつど使っていたら旅先にしかない日本とか外国独特の趣き、風情・食物を見逃してしまうのではないかと思う。
「いい感じ」も簡明でよいこともあるが、時には美しい景色とか食物とか日本語の持つ美しい表現を工夫して使い感性的にも情緒的にも秀れたいと思う

テレビでの使用例

TBSテレビ「花嫁は厄年ッ」で若い女性が桃農園の一郎を訪ねてきてお風呂に入り「湯加減どうですか」とたずねているのに「ああ、いい感じです」という場面があった。

また、NTVドラマ「働きマン」でも雑誌編集の弘子の恋人新二がお菓子屋でケーキを買うのに
店員から箱にケーキを入れて見せられたとき「ああ、いい感じです」といっている。

17 KY式「ローマ字略語」

最近女子高校生を中心にローマ字の頭文字を取った独特なことばが流行っていてケータイとかに利用して仲間同士のコミュニケーションを図ってるようです。
その種類は相当多く、ついに最近ローマ字日本語辞書が刊行されたぐらいです。

たとえば、もうすっかり有名になったKY「空気読まない」など、
最近のことばでは、JK「女子高生」MK5「まじ切れ5秒前」とか、辞書にするローマ字日本語を募集したら3万件集まったそうでこれからも無限に増えていくのではないのだろうか。
さらに若い人同士のグループ間にしか通用しないローマ字日本語も登場し、それがグループ間のコミュニケーションにもなっているようである。

KYは空気読まないですが、KYは「部屋が汚くて苦労読めるよ」とか「彼はやめた」、「こいつはやばい」:とかいろいろ作れるわけで、ことば遊びの範疇ならばよいとは思いますが、やがては広がりすぎると判別困難で意味がないものになるかも知れない。、
ローマ字を取ってそれを読むということは目新しいことではありません。ずっと以前からあったし、今も続いているものがある。

たとえばY.K.Kというファスナーは有名であり、また、結構鉄道ではローマ字を取って読むことが多い。
TKKは東京急行電鉄株式会社、KHKは京浜急行電鉄株式会社という具合である。
また有名なテーマパークはTDL、東京ディズニーランドは広く知られるところだ。

しかし、ローマ字の頭文字を取って日本語にするとなるといくらでの自分で新語をつくりだすことが可能になり際限なく作っていくことにより、日本語自体が崩壊するのではと心配する人もいるようだ

18 「それが何か」

元はといえば昨年NTVで放映されたTVドラマ「ハケンの品格」で30もの資格を持つスーパーハケン大前春子が使ったことば「それが何か」から来ていてあっというまに拡がった。
たとえばドジな新米ハケンがタクシーに記録したCDロムを置き忘れ、廃車処理される寸前に
クレーン免許を持つ大前春子がタクシーを持ち上げて救い、社員からほめられたのに「それが何か」と冷静に冷ややかに答えているといった具合である。
この新語昨年の新人賞にノミネートされる勢いだった

「それが何か」と簡単なこのことば、賛否両論があるようだ。
一生懸命に話しているのに「それが何か」の一言で切られてはたまらない、でも、大前春子は自分をほめずに話をして「それが何か」ということばはすっきりしているとかいろいろな見方があるようである。

19 「でも、そんなの関係ねぇ~」

お笑い芸人小島よしお氏がさかんに使用し今年大流行として一挙に広まった。
このことばは賛否両論があるだろうが、僕は問題を持っていない時と悩みを抱えてる時に用いる場合によってはいわれた人は衝撃も大きいと思うのだが。
もっとも小島氏の「そんなの関係ねえといったあとで「おっぱピー」と軽く行っているので、そういう意味で乗りがいいと若者中心に受け入れられているのであろう。

先のその場の雰囲気を読まないことを「空気読まない」といい、この言葉が同じように使われることもあろうが、前者のほうがまだ柔らかな感じになる。
友達同士で冗談を言っていて、「でも、そんなの関係ね」ならばジョークで笑いにつながるだろうが、父親が息子のために一生懸命になって何かを教え諭す時に、子供が「お父さん、そんなの関係ねぇ・・・・」といったとしたら、それまでの苦労が一瞬にして砕けてしまうような強烈な言葉であるのではないだろうかと思えてくる。

20 「~じゃん」

いわゆる「~じゃん」(いいじゃない)ということばは昔から使われてきた。
このことばのルーツを調べると私の住んでる横浜ことばから派生している。

文明開化で横浜は外国からあらゆるものが入ってきて外人居留地となった。日本人がはじめて長崎とともに外国人と接してきた地であり、案外今使われていることばが横浜ことばとして定着したのかも知れない。
昔、一時「ハイカラ」ということばが使われてしゃれてるとかセンスがあるという名称で用いられて当時の今風ことばであったであろうが、調べてみると明治時代、開港した横浜は当時和服をまとっていたが、調べてみると、明治時代、開港した横浜は当時和服を男女まとっていたが外国人の洋服・ワイシャツ姿、中でもカラーが高くとても日本人には素敵な姿に移り英語の「ハイカラー」High Colorがいつの間にかハイカラと変化したといわれる。

さて「~じゃん」であるが、今日では「まあ、いいじゃん」「自分でいいじゃん」
「騒いでもいいじゃん」「何だっていいじゃん」「気楽でいいじゃん」「休んだっていいじゃん」「気楽でいいじゃん」「休んだっていいじゃん」「「普通でいいじゃん」「下手でいいじゃん」「暇でいいじゃん」と枚挙に暇もないくらい使われている。

「~じゃん」にかをつけて「いいじゃんかよ」となるともっと意味が強調されてきて相手にその行為をはっきりと認めさせることになる。

横浜の近郊では、「~だべ」とローカルカラーたっぷりのことばが使われており、この「だべ」は関東地方の広い地域で使われ、時として若者の今風ことばでも「~だべ」と使うことがあるようである。
そうなると、今のことばも結構地方のことばから派生しているのかも知れないと親しみを感じるのである。

21 「系」

私は鉄道ファンなので「系」ということばは古くから用いてきたおなじみのことばでもある。例えばJRの電車の分類に100系新幹線とか113系近距離電車とか用いてきた。
この「系」は一般的に何かを分類する意味で最近は使用されている。何でもあらゆるものを分類するために系を用いている。
例えば、「アキバ系」「オタク系」「なごみ系」「癒し系」「渋谷系」果ては食べ物の「カレー系」とかなど若い人は何でも分類するときに系を使うようである。系の使い方に制限はなく自分でなにかを分類して表現するために用いるためにことばの使い方の制限はないようである。また全体の雰囲気を伝える~っぽいみたいなという感じを系で表現することもあるように思える。

22 「べた」

べたという語源は、どうも新聞のべた記事、つまり最下段の「ありきたり」とか「つまらない」あまり報道価値のない記事をさして言うようである。
それから変じて、最近は「当たり前」とか「無難」とか言う意味に用いられ、いい意味での「王道」常識内とか、常套とかいう意味とも理解されている。

テレビでの使用例

NTVテレビドラマ「働きマン」(菅野美穂)で、親が「早く結婚しろとうるさいのよね」とまゆが言ってるのに、「歳を取ってくるとお見合いしろとかうるさいし」と田中(速水もこみち)が言うのに対して、まゆが「いまどき、そんなべたな人がいるの」といった具合に使っている。
出版業界で、べた記事というのはつまらない、ありきたりの記事というときに用いているようである。

23 「ありえない」

ありえないは、自分が考えていることとまったく想像がつかなかったときに「ありえない」と使うことばである。
以前は、なにか言われて「そんなことありえない」という具合にありえない理由を明確にしていたのだが今は「ありえない」と一言で強調された形に変わってきているように思える。

テレビドラマの使用例

NTVドラマ「働きマン」で、弘子の父が上京してきて、父にあって「お父さん泊まるところホテル頼んだの」といってるのに対して、父は「お前のところに泊まる、お母さんもそういうものだから」と答えたので、弘子はまさか自分のところに泊まることは考えもつかず、一言「ありえない」といっている。
「ありえない」は相当広い意味で使われているようである。

24 「どんだけぇ~」

元はといえば、新宿あたりの夜の歓楽街で使われていたが、その後テレビでおなじみのIKKOが使い始めて、以来拡がって、一般に使われるようになったといわれている。

そういえば、テレビ、ドラマで頻繁に使われるようになってきている。
意味は「どれだけ」という感嘆詞の時に用いるが、また、相手を非難するときにももといられるようである。

例えば、従来だと「ごめん遅くなって」、「どうしても会社ではずせない急用で」と言い訳する男性に対して女性がいろいろいう。、「どれだけ待ったと思うの?」「もい30分よ、こんなに待たせて、もう」、それが、今はすべてを「どんだけ~」という一言で怒りを表現する。
を「どんだけぇ~」と一言で相手に感じさせるような口調で使われる。

テレビでの使用例
TBSテレビ「花嫁は厄年っ」で首都テレビアナウンサー竹富明子(篠原涼子)が一郎に「私どんだけ~したの」という具合に用いている。

25 「~じゃないですか」

従来は、「私は会社員じゃないです」とか「スポーツは見るのは嫌いじゃないです」と言う風に否定または肯定されて用いられてきた。

ところが、最近は~ないですの次にかをつけて~ないですかと言う風にあらわすようになってきてる。
例えば従来ならば「私ってお菓子が好きです」と表現法では、単に卵焼きが好きな事を相手に示すだけであるが、これ好きじゃないですかという表現になると、自分の好きな食べ物を示すだけでなく、ついお菓子を食べ過ぎたときなど、謝る意味もかねてしていたのが「私ってお菓子が好きじゃないですか?」と自分を強調して極端に言えば相手を強く失敗したものを相手に説得させる強調の意味を持っているように思えるのである。
新しい日本語の一つであるといえよう

26 モトカレ、モトカノ、元カレ 元カノ

一番わかりやすいことばでありモトカレ・モトカノは元の、過去付き合っていた彼であり、彼女である。
モトカレは元カレとモトを元と漢字で書くという人もいる。

私が20歳台のときはどちらかといえば親友にも周りにもたとえ付き合っていてもそれをはっきりといわなかった時代であった。

ともあれ今は若者の間で「元カレ、元カノ」ということが出来て明るい開放的な雰囲気で暗さがない。

テレビドラマの使用例

NTVテレビ「CAとお呼び」で、キャビンアテンダント
(観月ありさ)が飛行機に乗っていて元つきあっていた学校時代の彼にあって、同僚に元カレよといっている。
また、TBSテレビ「花嫁は厄年っ」で一郎が
「お前は元かのだ、ただの元かの、それだけ」
と明子に言っているし、明子も元カレだからといろいろな場面で使われている

27 しかとする

三省堂書店の大辞林を検索してみるとこの難解用語が掲載されている。
最近の辞書はかなり現代的な新語・俗語まで幅広く掲載されている。

しかとするとは、花札の十月(もみじ)の鹿が横を向いている、そっぽを向いている、つまり無視していることからシカ(鹿)と(十)するから着ていることは以外であった。

テレビドラマの使用例

NTVテレビドラマ「ハケンの品格」でスーパーハケン大前春子がS&F社に勤務して社員の東海林主任が来て「働かないのか、給料もらってるんだろう働けよ」というのに無視をするので「お前、しかとするのか」とつまり「無視をするのか」といっている。

28 タイマン張る

このことばほど難解と正直に思ったことはなかった。
たいまんということばは怠慢(怠ける)と取られがちだが相手と堂々と勝負を挑む、対するという意味に用いられる。
たいまんを対面という風に理解してみると意味がわかりやすい。
しかし一般的には使われていない。

テレビでの使用例

NTVテレビ「anego」で立ち飲み酒場で「それだったら堂々とタイマン張ったらといっている。

29 ふたまた、さんまた

ふたまたとは、同時に二つのことを掛ける意味で昔から使われてきたことばである。

たとえば「俺、早稲田と慶応二股掛けている」といった具合に大学受験に両方の大学を掛けることを指す。

最近では同時に二人の人を好きになるといった時に用いるようである。

テレビの使用例

NTVのテレビドラマ「働きマン」でまゆが喫茶店で泣いているのを見て弘子が「まゆなんで泣いているの、ああ、田中か、この間二股して、ああ、あれもそうだ健二、三股で浮気の理由を聞いたら逆切れされてそれでも忘れられないといってたああ、あいつのこと」という具合に用いている

30 萌えっ

萌えということばを辞書で引くと萌えるとたとえば
若葉が萌える、生き生きとしているさまを表しているようである。

従来の使い方は、新緑の萌え出ずるというようにあたりが新緑で包まれて生き生きと覆っているという意味で使われてきた。

萌えっが広くあらゆる人に知られるようになったのは
秋葉原のメイド喫茶、コスプレ姿の女の子が「ご主人さま、いってらっしゃいませ、お帰りいなさいませ」
とにこやかに話しかけるところから、アキハバラで萌えっと若い人の間で言われて着ているようである。

萌えっと言うことばは意外に表現することが難しいが
各々個人によって差があろうが、ことばに出来ない心の燃焼してみたいような気持ちを表しているように思えるのである。

31 重い
国語辞典によれば、重いとは

① 目方(重量)が重い 荷物が~
② 動きがにぶい(動作)
③ 気分がさっぱりしない 頭が~ 気分が~
④ 物事の程度がはなはだしい
  容易でない 解決できないなど。
を意味する。

最近は「重い」とか「空気重い」とか全体のその場の雰囲気とか人の状態を指していう。

テレビでの使用例

NTV「anego」でハケンの佳奈が会社に出社してきて
皆だまって仕事をしていると
「どうしたんですか、何か空気重いですね」
といっている。

32  きれる

きれるを三省堂国語辞典で引けば、
切れる(電灯が)切った状態になる(電気を)、はなれる、関係がまったく壊れる(夫婦関係が)
期限が切れる(貸借が)終えることが出来ない(食べきれない)など、実にさまざまな意味で用いる。

しかし最近は抑えていた感情が、腹が立って我慢が出来なくなるとうい意味(障害、果ては殺人にいたるまでのさまざまな過程がある)が一番適していて新聞・雑誌・テレビで最近は日常茶飯に使われている。

また、逆ぎれといって相手と話をしていたら逆に相手が切れてしまったという使い方もあるようである。

33 むかつく

むかつくとは国語辞典ではむかむかする、吐き気がするという意味であるが、最近は自分がいやなことを表現する際にいろいろな意味で使われている。
さらに最もいやだと表現する意味で超をつけて「超むかつく」という意味で用いる。

34 だっちゅうの

ことばには一時すごい流行ったことばがあるが時代とともに使われなくなって死語となったものがある。

90年代に流行った「だっちゅうの」もそうである。
~だっちいうのと本来は使われていたのが同じ意味で
~ちゅうのという具合に使われる。

35 ナウイ

90年代盛んに用いられたナウイはいまや死語となりつつある。
ナウイはNOWといが合わさってかっこいいことの意味に使われていた。
ことばも時代の変化とともに死語となるものが多い。

36 バックれる

バックれるとは「知らばっくれる」の意味が詰まったものでとぼけるとかさぼるとか広い意味で使われている。

ばっくれるはたとえばNTVテレビでは「ハケンの品格」で
東海林主任がスーパーハケン大前春子が無視したためなにばっくれると言っている。
また同じ「anego」で婚約者斉藤から今度和食にお誘いします」と外国からメールが来たのに対して斉藤が女性がいることを知り「斉藤さん、なにバックれてるの」という具合に用いている。

37  きゃら
キャラクターの略で性格、性質である。
略してきゃらという具合に使う
たとえば「お前そういうきゃらか」「きゃらじゃない」とかいう風に用いている。

テレビでの使用例

NTVテレビ「anego」で東京駅で新入社員黒澤(赤西
仁)が奈央子に「今からきゃら変えようと思っても無理です、あねご」といっている。

38  個

~個ということばは~個上、下という具合に用いられる。
たとえば年令を自分は~個上とか下という風に用いている。

テレビでの使用例

NTVテレビドラマで野田奈央子と新入社員黒澤の間でしばしばいろんな場面で用いられている。
黒澤が奈央子を慕う場面で奈央子が「10個上のおばさんからかってどうするの(10歳上)、とか「10個下の子供とでは」という具合に使っている。

39 乗り

三省堂国語辞典によると、
乗りとは乗る(車に乗る)、調子(彼の歌は調子がいい)、乗りがいい(化粧の乗りがいい)という具合に用いる。

最近は、ここから乗ってるとか乗りがいいとか乗ってるとかいうように用いている。

40 マジ

まじとは真面目の略でありまじはもう一般的に拡がって会話の時に最も多く使われている。

まじと「それマジっ」単体で使われるほかに「超まじっすか」(真面目な話ですか)という具合に用いている。

テレビでの使用例

NTV「anego」PART2で、
モンゴルへ赴任していた黒澤が遭難したことを知って奈央子は出かけるのですが途中でばったり黒澤に会い
奈央子は会社であなたが遭難したといって大変なのよ
・・・」と苦情を言ってるのに黒澤が「マジっつすか」と驚く場面でいってます。

41 突っ込み

突っ込みは昔から使われてきたことばで取り立てて話題にすることもないが、いろいろな意味で使われているので入れた。
たとえば「突っ込みいれろ」とか「そこが突っ込み」とかいう風に用いているようである。

テレビでの使用例
NTV「anago」で奈央子がお見合いに敗れて黒澤が心配している場面で「ぼけも突っ込みもなくて悪い、ごめん」といっている。










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短編青春小説「終電車」



その鉄道は明彦の住んでいる大都会から二、三時間ほど電車で山間に入った過疎の町を走っていた
井田明彦は何よりも鉄道が大好きで、鉄道雑誌を見ては香mれら片手に一人で出かけるのだった。
妻の真理子は、
「あなたが、デパートが好きだったらよかったのに」
と思わず本音を漏らす。
「鉄道好きだとあなた一人で楽しむし」
「ごめん、時々君を一人にさせて・・・・この穴埋めはきっと・・・・・」
「あなた、結婚前二そんな話聞かなかったわ、もし、聞いていたら・・・・」
妻は相当怒っているなあと思う。

「それともたまにはどうだ、僕と一緒に来るか」
「いやよ、この前だってさ、あなたSL撮るからって言ってさ、1時間も帰ってこなくてさ」、
「あの、何も汽車みなくても、ほら・・・・ええと、あの何とか言った
麦とろのおいしい店、ごちそうしてあげるから」
「丸子庵」でしょう?」
妻はぶっきらぼうに答えた。
なだめてもすかしてもどうにもならないと悟った和彦は、書斎の引き出しから映画の鑑賞券を2枚出して、
「これ二人でと言われたんだけど君のお母さんと一緒に見てきたら」
「今日のところ許してあげるわ、行ってらっしゃい」
「久しぶりに映画のあと、君のお母さんの家に泊まったら」
「でも、あなたのお食事のこと気になるし」
「いいよ、コンビニもあるし、冷蔵庫にも残り物が」
「あなたの何ていうかそういうとこに負けちゃうのよね」
明彦は交渉成立してほっとして家を出た。

大東駅から都心に出て新幹線で2時間のところに過疎の鉄道があった。
新幹線ホームをエスカレーターで下りてビルの立ち並ぶ駅前の広い通りを300メートル歩くとと木造の不似合いな小さな駅舎があった。すでに鉄道廃止をどこから聞きつけたのか大勢の群衆に混じって鉄道ファンも詰め掛けていて駅はごった返しだった。
赤色の電車は15メートルの長さで玩具のように可愛かった。
明彦はやまと鉄道の廃線記念切符を手に入れて狭いホームで電車の来るのを待った。
間もなくして赤い車体を左右にゆらせて赤い四両編成の電車が到着した。
いつもは1時間おきの運転も今日が最後の日で乗客も裁ききれないほどの人たちのために20分おきに電車を運行していた。

車体には横断幕でやまと鉄道さようならと書かれていてホームの頭上のスピーカーは
「今日を持ちましてやまと鉄道は廃止となります。長い間のご愛顧ありがとうございました」
と繰り返し放送していた。
鈴なりの乗客を乗せて蛍の光の調べに乗って赤い電車はホームを離れた。
駅を離れ500メートルほど走り鉄橋を渡り大きく左に曲がり、5分ほど走り、最初の停車駅、北浜南駅を過ぎると家並みも少なくなってあたりは茶畑になった。
電車はすぐ側を併行して走る県道の自動車に何台も追い抜かれて古いモーター音をさせながら甲高い音をさせて走った。

点々と農家があり、柿が赤く色づいた実をつけていてのんびりした秋の光景を醸し出していた。屋敷田、久保塚、やまと高井、重原、平石を過ぎて、秋の木漏れ日に電車の陰が長くどこまでもついてきた。単線のこの鉄道は山中駅で対向電車といつもすれ違うのだった。
閑散としたこの駅も今日ばかりは鉄道ファンがカメラを電車にいっせいに向けて最後の電車を撮り続けていた。
上り電車が林の向こうから姿を現し鈴なりの乗客を乗せて到着した。
明彦の電車は山中駅を出ると上り勾配に差し掛かり鉄道に沿って流れている川幅も狭くなり渓谷と変わって行った。原沢を過ぎてトンネルを二つくぐり、川久保と無人駅にも今日が最後の運転とあって電車が近づくといっせいにカメラのフラッシュの攻撃が待ち構えていた。トンネルをくぐって鉄橋を渡ると左の車窓に見えていた渓谷が右側に変わってしばらく10分も走るとそこはやまと鉄道の過疎の町やまと追分駅だった。

人口8千人のこの町は主に林業で成り立っていた。
狭い車両からどっと人が吐き出されて改札口へと流れていく
明彦もまた、切符を出して駅舎から出て後戻りして小さな車庫に向かった
やまと鉄道の小さな車庫の前には黒山のような人だかりだった。
カメラを持った鉄道ファンを中心に地元の人たちが電車の周りを囲んでいた。
明彦ももう50年近く走り続けている赤いレトロな小さな電車を撮影しようとバッグからカメラを取り出し大きな望遠レンズを取り付けた。

やまと鉄道の制服を来た職員がやってきて電車を取り囲んでいる皆に説明しはじめた。
「皆さん、こんにちは、ようこそやまと鉄道にお出でくださいました。長い間皆様にご愛顧いただいた鉄道線浜南―やまと追分間21,3キロは本日を持ちまして廃止されることになりました」
明彦は、大勢の見物客とともに職員の挨拶を聞いてたが、明彦のほうに目を向けた瞬間、 明彦は思わず
「あっ」
と叫んだ。

それもそのはず何と中学時代の親友だったからである。
明彦は思わず見物客の人並みを掻き分けて前に出た。
挨拶をし終えた彼も明彦の顔を見て、
「おお、鶴見じゃないか」、
「井田しばらくだなあ」二人は駆け寄って思わず握手をした。
明彦は
「君に逢いたかったよ、いったいどこ行ってたんだ。?」
「ごめん、ごめん、僕もどうしているかと気になってたんだ」
脇の職員に
「この電車の説明僕に代わってやってくれないか」
と頼んだ。

明彦は、
「いいのか、君が説明しないでも」
「大丈夫、こんなとこで逢おうとはなあ」
「いったいどこに雲隠れしてたんだよ」
「君には本当に済まなかったと思ってるよ。実は?」
「どうなったんだ」
「実は、親父のやってた工場が不況で不渡り出して倒産して・・・・」
「そうだったのか、あの頃、君の家は羽振りがよくて僕はうらやましく思ったんだけど」
「それで借金取りは来るわで、叔父が浜南市に住んでて、こっちに来たんだ。」
「そういうわけだったのか、大変だったなあ」
明彦は複雑な事情で友人が急にいなくなったことがわかった。
「そういうわけで高校出て地元の工業大学何とか出て、やまと鉄道に入ったという訳」
「やまと鉄道って言えば、鉄道のほかに県内のバス・百貨店・スーパー・コンビ二・不動産までやってていいじゃないか」
「地元ではまあまあだけど君は?」

「僕は平凡だよ、サラリーマンで、今日はやまと鉄道が最後の運転をするというんで新幹線でここまで来たんだ。写真撮ろうと思って」
「今日はすごい見物客だなあ」
「いつもこんなだとな、鉄道廃線しなくてもなあ」
と鶴見はためいきをつきながら言った。

「それじゃ、僕から説明しようか」
と鶴見は車庫のすぐ側に陳列されているレトロな5つ窓の電車を指差しながら
「これはモハ10という形式で中部鉄道で、名古屋の岐阜を走っていたのを払い下げてもらった大正5年製造の一番古い電車なんだ」
「知ってる。何度か岐阜で乗ったけど、こいつが岐阜の市内の道路を走るときにはのろのろと左右に車体を揺らせて駅まで走ったよ」
「これは大正時代の古典的価値があって円形の窓が特徴あるんだよ。」
と鶴見が言うのを聞いてて
、明彦は、
「君もずいぶん詳しくなったなあ」
と言った。

鶴見は
「まあ、やまと鉄道に入ってからなあ、商売柄しょうがないよ」
と鶴見は、
「僕、鉄道部長なんだ」
と明彦に名詞を見せて笑った。
「この車両もうちが鉄道廃止になったらもう全国でも見られないんじゃないか」
と鶴見は電車を見上げながら言った。
「ところで、君の仕事の鉄道部が終わったら」
「今度は、やまと百貨店入りだよ」
 「いいじゃないか、百貨店なら地方で有名だし」
「わが社の電車はほら阪神地方を走っていた加速・減速の早いジェットカーか、これの屋根に冷房装置を取り付けて、やっとわが社にも冷房電車が走って皆に喜んでもらったと思ったら、3年で廃止だもんな」
と鶴見はしみじみと話した。

「記念に写真撮るか」
と明彦は、バッグからカメラを取り出し三脚を引き伸ばしてカメラを三脚に固定した。
明彦は、セルフタイマーを押して急いで鶴見の立っているところに戻り肩を組んで写真に納まった。
明彦は、鶴見に案内されて10系古典電車と右側の15メートルの短い車両と一番左に止まっているやま鉄ご自慢の1000系の冷房電車を見て廻った。
明彦は、要所要所で電車をカメラに収めた。

「うちの事務所に来るか。あげたいものがあるんだ」
鶴見は明彦の方に手を掛けて、
「さあ、行くか」
と言って駅に向かって歩きだした。
「ここがうちのやまと追分事務所だ。」
と鶴見は言って、観光案内センターの3階の建物脇の自販機にお金を入れて缶コーヒーを二つ買って2階に通じる狭い階段を登った。
「悪いなあ、仕事中に」
「狭いけどそこに座って」
鶴見はソファーに明彦を座らせて、左の壁のロッカーを開けてなにやら取り出した。
「これは、当社の鉄道の開業50周年を記念して作った写真集で」
「ええと電車の文鎮どこだっけなあ」
とロッカーの中を探した。

若い社員が、
「部長、ここの箱の中に・・・・・でも結構皆に配ったし」
狭い事務所の左の隅にある机の引き出しを捜した。
「部長、これでしょう」
と言ってほこりを被った金属の塊を取り出して、ほこりを払って鶴見に差し出した。
「こんなもので良かったら、さっき見た10系電車の文鎮だ」
缶コーヒーを開けて鶴見の前に置いた。
「悪いなあ大切にするよ、これもらっていいの?」
「ああ」

明彦にとっては何にもましてかけがいのない物だった。
「ところで、君はさっきサラリーマンだって言ってたが、電車の好きな君のことだから」
井田は興味深く鶴見の返事を待っていた。
「ああ、僕のこと、大したことじゃないが武蔵鉄道なんだよ」
「大したもんだなあ、武蔵鉄道は電車も大きくVVVF方式の新車だしな」
「うちは、つり掛け方式で、いや走ってもうるさいしな」
「つりかけ方式は貴重だよ、もう全国でも貴重だよ」
「いや、君のところは、規模が違うもんな、安全なATC方式だから、事故も起きにくいし」
「ああ」
「でも併行して多摩鉄道も走っているし、結構大変だよ」
そんな話をしているうちに、秋の日差しも影って来て山並みが赤く染まっていた。
「そろそろ、今日の終電車の運転時間も迫ってきたしなあ、飯食いに行くとするか」
二人は事務所の階段を下りて駅前の道路を左折して歩いた。

鶴見は、
「ここのとろろは名物なんだ」と言って「丸子庵」
と書かれた看板を見て中に入った。
「済まない、こんなとこで、運転があるんで酒はちょっと」
と明彦の顔をすまなさそうな顔で言った。
「いいんだ、僕は酒は全然飲めないんだよ」
と明彦は言った。

明彦は、以前妻と一緒にここへ来たんだよと危うく口にしそうになって、ご馳走してくれる鶴見に申し訳ないと思って
「こんな自然の特産物なんて口にできなくて」
と感謝して言った。
二人の前にお櫃に入った麦ご飯ととろろ汁が運ばれてきた。
外は、すっかり夜の帳が下りていて遠くのやまと追分駅の周りだけがこうこうと灯りがついていて明るかった。

「ところで、君にお願いがあるんだけど」
「僕が住民数人から花束受けるところを新聞社のカメラマンが写真撮ることになってるんだけど、そんな形式的なものでなく、君は僕の親友としてもっと自由な角度で写真撮ってほしんだけど」
「はっ。僕に、新聞社でもなく、ここの住民でないのに」
「僕の親しい親友っていうことで。君の自由なというか、きっとあたたかい、僕にとってたった一回の想い出になると思うんだけど」
「OK、わかった。僕でよければ」

駅に入ると最終電車はホームに入っていた。
電車は、ホームにはみ出る長い5両編成でご自慢の冷房電車1000系に混じってさっき見た大正時代の古典的な5つ窓、丸窓の10系電車も連結していた。
明彦はすでに新聞社のカメラマンより遠い場所に陣取って待っていた。
制服姿の鶴見が構内の詰め所から歩いてきて、
「当社はじまって以来の5両編成だよ、まあ、ファンと住民サービスかなあ」と笑いながら明彦に言った。
「皆様、やまと鉄道を長い間ご利用くださいまして本当にありがとうございました。いよいよこの列車を持ちまして当駅の営業を終わらせていただきます。明日からはバスが運行いたしますので今後ともご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます」
とアナウンスを繰り返した。

ホームのやまと追分駅の赤い電車の周りにはこの時間でも鉄道ファン、住民で一杯だった。
町の有力者の挨拶のあと、終電車を運転する鶴見に花束を送った。その光景を見ていた明彦は鶴見の一番にこやかな瞬間を狙って、連写した。
鶴見は、明彦の顔を見つめて
「すまないなあ、君まで借り出して」
と小さな声で言った。

制服を着た鶴見はきりっと帽子の紐を締めなおして運転室に入った。
明彦は一番前の窓から井田の後ろ姿を見ていた。
ホームの中学校のブラスバンドが「線路は続くよどこまでも」を演奏しはじめた。鉄道ファンが群がってカメラのシャッターを押した。フラッシュを受けてまばゆかった。
出発のベルが鳴り終わると、鶴見は正面の信号が緑に変わったのを確認して「出発進行、定時、制限15と立て続けに指差歓呼しながらコントローラーを白手袋でノッチ2の位置まで操作した。
「ファーン。」とタイフォンを鳴らして電車はホームを離れはじめた。
電車はやまと追分駅の構内を離れると町の家の軒並みが明るいほか闇に包まれ電車の前照灯だけが線路の先を照らしていた。

鶴見は前を見つめて
「制限解除、信号よおし、速度50」
と言ってコントローラーのノッチ5一杯まで持って行った。
電車は甲高いモーター音を出して速度を増して走った。
明彦は、鶴見の電車を運転する姿を見てなにか不思議なめぐりあわせを感じながら、親友のあたたかさを感じ、今日の感動の出来事そのままに妻にどう伝えたらいいかと心の中で迷っていた。

用語解説
つり掛け式  モーターから車両に動力を伝達する(モーターを台車で装架する方式で構造は簡単であるもののモーター重量の五十パーセントが車軸に掛かり、さらに騒音が大きく乗り心地も良くなく既に過去の物となっている。

VVVF方式 
VVVFインバーターとは
直流を交流に変換、そこで電圧と周波数を変化させて交流モーターを制御する方式である
電気車両の動力に使うモーターは交流タイプの方が保守などの面で秀れている。
今までのような抵抗器を必要としないため、省エネルギー、低騒音化、高効率化が実現した。


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NTVテレビドラマ [働きマン」

span style="font-size:large;">少し大きい文字作家のたまご

NTVテレビドラマ「働きマン」
要約
物語は、雑誌豪胆社に勤める松方弘子(菅野美穂)は、恋より仕事を何よりも大切にする編集部の記者で、「私は死ぬときに仕事を充分した」といわせるほどであり、いったんスイッチが入り、働きマンに変身するとものすごい勢いで問題を解決していく。
豪胆社には、新人編集者で仕事よりも自分を大切にする生意気な田中(速水もこみち)、先輩と弘子を敬ってるものよく失敗しては弘子をはらはらさせる渚まゆ(平山あゆ)の二人のほかに、弘子の同期生のこぶたんこと小林明久(荒川良良)、カメラマン菅原など、個性いっぱいの部員がいて楽しませてくれる。
編集長梅宮はこういう編集部を機関車のたくましい勢いで引っ張って行き、部下に采配をふるって週間時代を動かして行くデスク成田は皆から頼られる厳しくもやさしい。

原作は、安野モヨコの「働きマン」で、これをドラマ化したものであるが、原作に沿っているもののドラマとして脚色されている。
全編11話のいずれも胸を打つ温かい人情味あふれた物語となっている。
雑誌社の仕事の様子が鮮明に、忠実に描かれていること、笑いと涙とコミック的な要素もあって実に楽しい、見てさわやかさを感じさせるドラマといえる。

かっての高度経済時代と違って、低成長の今日、誰もが自分の仕事を弘子のように愛している人は少ないかも知れないし、リストラ、ニート、ハケン社員といった労働環境は厳しいものがあるが、このドラマを見て働くこと、また働きたいと希望を持って前進することができるのではないかと思った。

残念ながら、筆者は1、4、7、8、9、10、11話意外は一部見過ごしたが、このドラマはNTVが放送したドラマの中でも傑作といえる。

主演の菅野美穂は、あいのうた(菅野美穂・玉置浩二)でも素晴らしい演技を見せたが、今度は、仕事に熱血的な働く女性を見事に演じきっていて、数少ない本格的演技派女優といえる
いつもは静かに仕事をしているのだが、問題に直面、解決の糸口をつかむとこれまでの何倍もの力を出して猛烈に仕事をこなして行く姿が見るものに感動と勇気を与えてくれる.

あらすじ
第1話
豪胆社雑誌記者はいつも朝、あわただしく身づくろいして朝食もとらないまま駅で新聞を買うと階段を二段とびして発車する電車に向かって駆けてゆくのが日課である。
主人公「弘子」自身が「ベルが鳴るとつい駆けちゃうんです」と告白している。このあたりサラリーマン・OLに共感を与えそうである。

会社のへ道を歩きながら「恋・おしゃれも・健康何事もバランスが必要です」とは行ったものの実際の弘子は、社内で納豆まきを食べながら企画書を見るほどの忙しい毎日である。
誰いうとなく「働きマン」というニックネームがついた。
その弘子はとんでもない新人田中に出会った。

彼はもともと男性雑誌の担当だったのだが半年以前に廃刊になって週刊時代に来たのだった
弘子が書いた原稿を「これ軽くいけていた」といったことから、弘子は「私、風呂にも入らず三日間渾身の思いで書いたのが軽くいけてる」と低い声で言ったほどだ。
皆の顔がきつくなってきたのに田中は、「時代はゴシップ誌」といったものだからデスクの成田まで顔をこわばらせてこの場がきつくなったので、弘子は怒りたい気持ちを抑えて
「面白い、面白いよね」と笑って和ませた。

翌日弘子は、編集長に呼ばれたがあんな太い態度の新人の面倒は見られないときっぱりと「新人田中の教育はいやだ」と編集長に詰め寄ったのだが、逆に弘子の書いた原稿を編集長から代わりに、弘子が書いた企画書通してやってもと弱点をつかまれて引き受けざるを得なくなった。

弘子は新人田中に頼んだ中高年に悩む頻尿の記事をネットで調べて何とかするといったので、思わず弘子は立ち上がって若いのに楽をするな」こぶしで机をたたきどなった。
田中は実は弘子が外務大臣セレブの取材に会ってくれるかどうか、田中が引き受け取り付けたのだった。
弘子はその夜、田中をつれてパーティーの合間の休みに会いたいということで行かざるを得なくなった。

弘子は、田中から「変身とは、女モードですね」と聞かれたのに対して「TPOに合わせて戦闘服も」とかわした。実は前日、田中の歓迎会で「松方弘子は変身するんだよ、働きマンに」といわれてわからなかった。2時間待たされた挙句に星川外務大臣に会うことが出来たが、セレブの日常についての弘子の取材に大臣は、こうして一人ひとり握手をするのも仕事だよ」といって去ろうとした大臣にたまりかねて、「外交とは何ですか」と聞いたが、「君に任せたよ」と一蹴して去った。

田中は、悔しがる弘子に「政治家とはあんなものですよ、楽でいいじゃないですか、俺が書きましょうか」というので、弘子は簡単に努力もしない彼を怒った。
弘子は、田中が何で出版社に入ったか知りたくなって聞いたのに「ブランド」と悪びれた様子も見せずに答えたので、思わず「聞いた私がばかだった」と言ってしまった。
数日後、忙しい弘子は、3ヶ月ぶりに恋人の新二と会う約束をして向かったのだが、タクシーの中で外務大臣の女性秘書から内部告発のようなケータイの会話を聞いて新二との約束をほごにして秘密の話をリークすることに成功した。

すぐに豪胆社に戻り、弘子はテープと資料を成田デスクに提出、編集長が「巻頭差し替え八ページぶち抜き」という声を聞いて弘子は働きマンに変身して締め切り間際に間にあわせるのだった。
弘子はこの瞬間に満ち足りた喜びを感じ、雑誌の売れ行きも上々で、急いで会社に出た。
ところがテレビで、星川外務大臣が記者会見で、国民の皆様への謝罪と秘書の関与をほのめかしていた。
弘子のいる編集部には脅迫まがいのファックスが舞い込んでその対応に皆一生懸命だった
一転、弘子の立場は不利になって、そこで弘子は・・・・・・・・・

第4話
弘子は、まゆと待ち合わせるために、カフェテラスに行き、まゆに声をかけるとまゆは涙を流してないていた。
弘子はなんのことだがわからずに、理由を聞くと一冊の本を差し出して「この夏目先生の恋愛小説がすごく悲しいんです」というのだった。まゆは熱烈なファンでサイン会には必ず行って、将来は先生とご一緒に仕事をさせていただきますといっていた。

弘子は仕事一筋の猛烈働きマンで、プラーイベートな弘子には建設会社に勤務する新二という恋人がいるのだったが、デートの約束をしても、直前電話が入ると仕事優先に新二との約束を取り消すのだった。

そんな弘子が、編集長、デスクから呼ばれて「お前は夏目三好の時代の連載記事担当として仕事を進めてくれ」といわれて、同席していたまゆは、「私のこの企画をどうして私にさせてくれないのですか」と執拗に食い下がるのだったが、二人は「夏目三好の小説を男性路線の時代に連載させて女性路線を開拓しようとした功績は大いに買うが、入社2年目のお前では心細い」といわれて、まゆは、「今まで松方がやっていたザ・仕事人の人間国宝陶芸家糸山正弦の取材をやってくれといわれて大いに失望、弘子とまゆの間に亀裂を感じるのだった。
弘子は新二との恋もうまく言っておらず大いに悩み、まゆは尊敬する大好きな恋愛小説のカリスマと思っている夏目三好の仕事ができず、弘子とまゆは反目するようになっていく。
弘子は恋愛小説の夏目三好に、もともと豪胆社の時代は、男性路線志向であり、困った挙句 豪胆社で夏目三好にこの際、発想を変えて競馬・スポーツなどを扱った話を書いてみるようにしたらどうかと提案するが、まゆはそれを知って夏目先生は恋愛小説でないと駄目なんですと一歩も引かない。
まゆは、仕事をしても夏目三好が忘れられず、弘子が与えたザ・仕事人陶芸家糸山正弦の取材に行ったものの仕事場で大切な大きなつぼを割ってしまい、編集長、デスクから叱責を受けて失望して会社を去った。
一方、弘子は、まゆを庇いきれず自分自体が夏目三好に何をどう書かせたらよいか決まらず迷っていた。まゆが自分を先輩といって頼ってくれてるのに何もしてやれず、悩んでいた時新二から電話があって、翌日二人は久しぶりに海でデートして弘子ははしゃぐのだった。
新二から自分の建設現場で中年のおじさんから恋愛相談を受けて、俺たちよりよほど中年のおじさんのほうがときめいているという新二の話に弘子は楽しそうに笑うのだった。
その時、電話があり、まゆが行方不明という知らせを聞いて、デートを打ち切ってまゆを捜しに行き、駆け回って探した挙句に公園でまゆを発見するのだが・・・・・・・・・・


第9話
レストランで弘子はまゆ、雅美と食事をしていたが、時代に連載された小説54を二人が読んで泣けてくるといって二人とも涙を流すのだった。
弘子はまゆの泣き上戸には困るといったものの雅美まで二人が泣いているのに当惑していた。
雅美から51の連載恋愛小説の担当がヒロなのに恋愛していないんじゃといわれて、弘子は新二に振られたので言い返せず情けないとつぶやいた。
豪胆社に帰るとデスクの成田が夏目三好の小説54の単行本化が決まったと報告を受けてまゆと弘子は小躍りして喜んだが、
弘子は作家夏目三好に電話で小説54の単行本化が決まったことを伝えたが夏目から最終回の続きが書けないといわれて弘子は急いで夏目三好宅に向かうのだった。
玄関で何も書けないと悩んでいる夏目三好に、私もご一緒しますからといって、困っている夏目に、主人公の恋を成就させてやりましょうyといって韓国に行くことを提案、達夫が恋した韓国女性のふるさとを一人で訪ねるということで徹夜の上に完成させた。
こうして社に戻ると販売部と編集部の会議を開き54の書籍化についても決められることになった。
初版は5万部ぐらいかと考えていた編集部に販売部からもたらされた54の初版は2万部という答えに
納得しない弘子は・・・・・・・

第10話
主人公の松方弘子は、寝ていても近くで消防自動車のサイレンが聞こえると、早朝であろうがカメラを手に飛び出して取材に出かけて小火であってほっとするのだが「いかん、職業病が出て」というほどの仕事大好き、働きマンである。
弘子が家に帰ってポストを見ると、金沢の父からはがきが来ていて、新聞を見ると今日の日付になっていた。
今週の時代の校了が済んでほっとするまもなく、成田デスクから時代の20周年記念増刊号のチーフはお前がやれ」といってきた。
そんな時父から電話があって、なんと豪胆社の近くにいると聞いて、編集長と上司に挨拶に行くという父を、二人は出張と会議となんとか誤魔化したものの、近くの喫茶店で父と会うはめとなった。
弘子は実直な公務員の父を敬遠していたが、喫茶店に入って席につくなり「妹が結婚が決まって姉のお前は悔しくないのか」というのだった。
最初から結婚話を切り出されて、返答に窮していた弘子に友達のまさみが声をかけてきて、父を紹介し、同席してもらって話を別に切り替えようと思っていたが、・・・・・・・・・・・

第11話
弘子は、新二との結婚に胸をときめかしていた。
父に引かれて微笑んでいる新二のもとにバージンロードを歩くのだったが右手を捉まれて「離して」というのだった
その時、松方さんという声で目が覚めると、床で寝ている弘子の手を握って身体を起こそうとしている田中がいた。
「なんで田中が」と弘子がいうと、田中は「しきりに彼氏の名前を読んでいましたよ」というのだった。
まゆが「先輩、29歳の誕生日ですね、元彼と復活の機会がありますよ」というのだった。
弘子が仕事をしてると別れた恋人の新二からだった。
久しぶりの新二からの電話で、喫茶店で待っている新二の姿を見て「もしかして復活かも」と胸がときめいた。
新二は、福岡転勤尾話を弘子に話をして、驚く弘子に「福岡港湾開発の
大きな仕事に挑戦することになった」と話をして、仕事の模様を弘子に優しく聞いた後、「今の仕事ずっと続けるのか」と意味深なことを聞いた。
弘子は即答を避けたものの、友人雅美からも「そのチャンスを逃してこのまま歳とっていいの、今だったらやり直せるかも」と助言をした。
数日後、デスクから新しいニュースが入った、小学校の教師の痴漢行為の取材をしてほしい」といわれて、弘子は警察署に取材に行ったのだったが、帰りにSPEEK社の人から声を掛けられて、新しい女性誌「WOMAN SPEEK」を出版するのでデスクとして来ないかとスカウトの話を持ち込まれた。
弘子は、実はSPEEK社のような国際的な雑誌を作ることが夢だったので心が揺れる。
弘子は、皆とこれまでやってきた豪胆社に残るか、新二と一緒に仕事を辞めて福岡に行くべきか、新しいSPEEK社でかねて目標としていた仕事をするべきか、29歳を向かえて大いに悩むのだった。
弘子が思案した挙句に取った行動は・・・・・・・・・・・・・



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